2006年7月15日には、埼玉学園大学でおこなわれた「『国際児』と『(文化的)アイデンティティ』をキーワードとした研究会」において、「日系『国際児』に対する日本語教育をめぐって:イギリスとスイスにおける調査から」と題した成果発表を行った。そこでは、イギリスとスイスにおける調査に基づき、「日本人」の親が、非「日本人」とのあいだに生まれた、現在は日本に住んでいず、将来日本に住む可能性も高くないわが子に、日本語を中心とする日本文化を伝えるために利用しうる、子育てや学びの場にはどのようなものがあるのか、そこでは、どのような実践が行われているのかについて発表した。 8月17日から30日には、アメリカ合衆国において調査を行った。そこでは、プリンストン日本語学校やワシントン日本語学校、ワシントン日本語継承センターを訪問し、授業などを参観するとともに、教師や関係者にインタビューを行った。また、O-en Networkのサマーキャンプに参加し、活動を参観するとともに、主催者や参加者、保護者らにインタビューを行った。さらに、さくら幼稚園の保護者にインタビューを行った。その他、アメリカ合衆国の多文化状況やマイノリティー教育について視察や調査を行った。 2007年3月4日から13日には、スイスにおいて調査を行った。そこでは、バーゼル日本語学校や現地の高校を訪問し、参観した。また、国際結婚して子育てをしている方々にインタビューを行った。その他、スイスの多文化状況やマイノリティー教育について視察や調査を行った。 これらの調査で得られたデータは、テープ起こしなどをした上で分析した。成果の一部は、『異文化間教育』(異文化間教育学会)および『こころと文化』(多文化間精神医学会)において、学術論文として発表した。
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