平成17年度においては、以下のような研究を行った。 1.一般企業の人事評価システムや諸外国の教員評価システムにおける組織力・教員集団力の観点からのメリット・デメリットに関する研究及びわが国における本システムに対する評価研究のレビューを行った。評価システムの受容及び影響に関しては、個人特性及び組織・集団特性による差異があること等が明らかになった。 以上のレビューを通して、評価システムの導入において、教員集団の特性による影響の差異等を明らかにし得る調査の枠組みを構築した。 2.1において開発した調査票をもとに、第一次調査として、中国地方5県の小中高の教員を対象とした、郵送による質問紙調査を実施した。本システムの導入に関する各県の内訳は、本格導入:1件、試行中:1県、平成18年度試行:3件である。約2800の配布に対して、回収率が50%を超えた。現在、データ入力を進めており、データ分析に着手し、6月に開催される日本教育経営学会、8月に開催される日本学校教育学会にて研究成果を発表する予定である。なお、第二次調査が、約2年後に予定されており、評価システムの影響の程度及び内容の異同に関する比較分析を行う予定である。 3.平成16年度から週1〜2ペースで実施しているA小学校におけるエスノグラフィーを継続して実施した。校長の評価行動・教員個々の評価認知・教員集団(力)の様態を詳細に観察した。現在、データの整理、分析を行っている。
|