研究初年度の平成17年度においては、米国州立大学を中心としたRCM/RCBの実践に関わる理論・実証両側面における先行研究の整理を行った。以上の作業をふまえ、大規模国立大学の財務実務担当者への聞き取り調査を行い、RCB/RCMを法人化後の国立大学の学内資金配分システムヘ導入することの可能性について検討を行った。その結果としては、実際の応用にあたっては多くの日本・個別国立大学の特殊性を考慮する必要があるが、RCB/RCMシステムの導入は理論的には十分可能であること、導入にあたって強力なリーダーシップが必要となるであろうことが確認された。 一方、RCB/RCMの先進的取組を進めている米国州立インディアナ大学における財務担当副学長補佐レベルの実務担当者に対する聞き取り調査を実施し、国立大学への応用にあたっての実務サイドから問題となる点などについての検討を行った。その結果としては、間接経費の部局間での配分や各部局で生じた利益の取り扱いが非常に重要な検討事項になるなどのことが明らかになった。
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