研究概要 |
平成17年度から進めてきた、「造形要素の組み合わせによる造形メソッド」で使用する為の素材となるコンテンツの収集と分類整理を、本年度も継続して引き続き行い、更なる充実を図った。そして本年度は昨年度に引き続き、造形要素の分類に基づいた明快なディジタルアーカイブの構造とインデックス(制作番号,制作年度,課題名,作品名,作品写真,作者,画材,造形表現など)に従って、ディジタルアーカイブの基本となる構造の精査と、ディジタルアーカイブの試作を行い、試験評価を行った。また昨年度に行った試験評価の結果をフィードバックし、より使いやすいディジタルアーカイブへと改良を重ね、ディジタルアーカイブのシステムを完成させるとともに、素材コンテンツをアーカイブに登録をし、アーカイブの内容の充実を図った。今年度は最終年度であるため、研究当初の目標であったディジタルアーカイブの完成と充実を図った上で利用を行い、アーカイブの使用感についての評価を行った。 又、研究当初に視野に入れていた、造形要素の組み合わせの方法から作品の評価を行うシステムについては、製作したアーカイブを利用しながら、造形要素の組み合わせの方法から作品の評価を行い、その評価システムについて検証を行った。検証方法は、造形要素の数によって造形要素の複雑さの数値化を行い、その点数と、何人かに個人の主観からなる作品評価を行ってもらい、その評価との比較を行うことによって検証を行った。その結果、この両者の評価の間には、ほぼ同様の傾向があることが分かり、造形要素の組み合わせの方法から作品の評価を行うことの意義が認められた。但し、この評価方法は、作品評価の方法の1つでしかなく、この方法が絶対的な評価方法ではないため、作品評価の参考と留めるのが望ましいと思われる。
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