研究概要 |
本研究の目的は、ダウン症児・者のワーキングメモリはどのような特徴があり、また言語活動にどのような影響を及ぼすのかについて明らかにすることである。そのための課題として、1)ダウン症児・者のワーキングメモリは、健常者やダウン症候群以外の知的障害者と比較して、どのような特徴をもつのか、2)ワーキングメモリ成績の高い者と低い者では、言語処理にどのような違いがあるのか、3)ダウン症児・者のワーキングメモリは、言語能力とどのような関係があるのか、の3つの課題を設定した。 平成17年度は、(1)ダウン症児・者のワーキングメモリの研究動向についての基礎的研究として、関連文献・資料の収集・分析、記憶研究者、ダウン症研究者のうちあわせ、(2)実験課題の作成(課題の作成,予備調査の実施)、(3)実験課題の信頼性・妥当性の検討(健常者の対象に実施)を計画した。 それらの研究結果、ダウン症児・者のワーキングメモリに関する実験課題が作成され、信頼性・妥当性の検討が行われた。今後も引き続き検討し、より信頼性・妥当性の高める必要性があげられた。 また、関連文献・資料の収集・分析から得られた知見の一部を、雑誌論文「乳幼児精神発達質問紙を用いたダヴン症乳幼児の発達的特徴に関する検討-クラスター分析による類型化-(菅野和恵,学校教育論集,28巻,印刷中,2006)」に活用した。
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