研究概要 |
「学童期の親と子を対象とした造形教育による子育て支援プログラム」をテーマとし,次の2項目の研究を進めた。 1.児童館の造形活動についての調査 大型児童館における児童館運営と造形プログラムについて調査を行った。大型児童館は地域に密着した小型児童館とは違い、造形活動のスペースが常設されており、子どもたちにとって、いろいろなあそびやものづくりが楽しめる魅力的な場所となっている。しかし設置数が少なく、子ども一人で気軽に利用することが難しく、大型児童館は日常的な子どもの居場所や放課後活動の場としては適していないことが明らかになった。 また、大阪市の公立児童館(小型児童館)で実施されたものづくり事業について調査し、ものづくりの教材と具体的な活動内容について考察した。ものづくりは、身近なリサイクル素材による玩具から文房具、季節グッズなど手作りを重視した幅広い内容で行われていたことが確認できた。 2.ものづくりプレ講座の実施と造形教育による子育て支援プログラム試案作成 子育て支援センターにおいて、学童期の親と子を対象としたものづくりプレ講座を実施した。親と子のコミュニケーションを目的とし、いろいろな素材体験や身近なものがどのように作られているかをものづくりを通して体験できる講座内容とし、参加者を対象としたアンケート調査も行った。 また、少人数の指導員で実施できるものづくりの教材研究と資料の作成、教材開発について研究し、親と子が共に取り組める造形教育による子育て支援プログラムの試案を作成し、大阪教育大学島影和夫教授より指導・助言を受けた。 親と子のコミュニケーションを目的とした、学童期の子育て支援の必要性は強く、経験の少ない子どもたちにとって、指導者の力量が子どもたちに与える影響は大きい。今後は、子育て支援センター等でのものづくり講座の実施と、造形教育による子育て支援プログラムを作成する。
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