研究概要 |
GをΩ上の置換群とする。Gが偶数位数の群であるとき、Gの位数2の元gが固定するΩの点の集合をFix(g)と書くとことにする。Ωの部分集合全体を対称差により2元体上のベクトル空間とみなす。このとき{Fix(g)|g∈G}の生成する部分空間の双対をC(G,Ω)とおく。このとき、 定理:Gが作用する長さ|Ω|の自己直交符号はC(G,Ω)に含まれる。 有限群Gとその部分群Hを考えると、Gの次数|G:H|の可移置換表現がG/Hの上への作用を考えることにより得られる。このときC(G,G/H)がminimum weight 2となるための必要十分条件を与えた。この条件を満たさない、すなわち、minimum weightが2より大きくなるような部分群HについてC(G,G/H)の考察を行った。特に散在型単純群とその自己同型群Gを考え、|G/H|が1000以下の場合のC(G,G/H)をすべて決定した。この中には散在型単純群の研究の中でこれまでに知られているいくつかの符号が現れることがわかった。つまり、これまで個々の群の性質から得られていた符号たちはC(G,G/H)という形で捕らえられることがわかった。さらに、この範囲の中でC(G,G/H)に含まれる自己双対符号をすべて決定した。 さらに100次以下の原始置換表現を持つ群Gに対してC(G,Ω)を決定し、それに含まれるGが作用する自己双対符号を分類した。この中に[64,32,12]self-dual codeでこれまで知られていなかったものが得られ、これは直交群に関連した有限幾何から得られるグラフを用いて特徴付けられることがわかった。
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