研究課題
今年度の実績概要は次のようなものである。かねてより研究を行っている算術的スキームのp進Tate捻りについて、今年度も研究を継続し、そのコホモロジー群とSelmer群との比較について結果を得た。Selmer群とは算術的スキームに付随したガロア表現によって定まる群で、この結果の応用についても現在研究中である。この研究成果については現在論文を執筆中である。専門雑誌での出版に関しては、算術的スキームのp進Tate捻りに関する一連の論文のうちサーベイ論文が出版され、第一の主論文が受理された。次に東京大学大学院数理科学研究科の齋藤秀司氏との共同研究によって局所体上の代数多様体の0サイクルのChow群について弱いModell-Weil型問題をある場合(比較的容易な場合)に解決した。この研究は現在も継続中で、扱いがより微妙な場合にも結果を拡張しようとしており、この場合には上記の算術的スキームのp進Tate捻りが中心的な役割を果たすことが期待される。この研究成果については12月に京大数理研で行われた研究集会「代数的整数論とその周辺」、及び2月に広島大学で行われた研究集会「広島ミニシンポジウム」において口頭発表を行った。また広島大学大学院理学研究科の木村俊一氏の発案による大学院生向けのワークショップ「モチーフ勉強会」の第0回(7月)と第1回(12月)に講演者として参加し、スキームのホモトピー理論及び代数多様体のサイクル写像について講演を行った。モチーフ勉強会等の試みについては今後も意欲的に参加する予定である。
すべて 2005 その他
すべて 雑誌論文 (3件)
Homology, Homotopy and Applications 7
ページ: 173-187
Journal of Number Theory 114
ページ: 272-297
Mathematische Zeitschrift (発表予定)