今年度の研究実績概要は次のようなものである。 今年度は海外の研究集会での講演を1回行い、国内の他大学でのセミナー講演を4回行った。学内での勉強会の講演を3回行い、国内の4つ研究集会に参加した。 かねてより研究を行っている算術的スキームのp進Tate捻りについて、今年度も研究を継続し、一般的な状況で共変関手性を証明した。この研究成果についてはp進Tate捻りの第二の主論文に含めたが、この結果の応用についても現在研究中である。専門雑誌での出版に関しては、算術的スキームのp進Tate捻りに関する一連の論文のうち、第二の主論文がフランスのエコール・ノルマルの紀要に受理された。 昨年度は東京大学大学院数理科学研究科の齋藤秀司氏との共同研究によって局所体上の代数多様体の0サイクルのChow群について弱いModell-Weil型問題をある場合に解決したが、今年度はその細部の見直しを行った。この結果については既に投稿中であり、7月にドイツのオーベルウォルファッハで行われた代数的K群についての研究集会で成果発表を行った。その一般化について現在も研究を継続中である。 また広島大学大学院理学研究科の木村俊一氏の発案による大学院生向けのワークショップ「モチーフ勉強会」の第2回(9月)に講演者として参加し、代数多様体のサイクル写像に関するSuslin-Voevodskyの定理について講演を行った。モチーフ勉強会等の試みについては今後も意欲的に参加する予定である。
|