今年度の研究実績概要は次のようなものである。 今年度は国内他大学での講演を1回行った。学内での勉強会・セミナーの講演を5回行い、国内の4つの研究集会に参加した。また京都大学数理解析研究所で行われた勉強会に合計9回出席した。 専門雑誌での出版に関しては、算術的スキームのp進Tate捻りに関する一連の論文のうち、主要な2編が出版され、東京大学大学院数理科学研究科の齋藤秀司氏との共同研究で得た局所体上の多様体の0サイクルの有限性に関する論文がプリンストン大学のAnnal of Mathematics誌に受理された。 また九州大学大学院数理科学研究院の朝倉政典氏との共同研究で「2次元の」体上のテイト曲線のレギュレーター写像(単数基準の一般化)を計算し、東京大学大学院数理科学研究科の齋藤秀司氏との共同研究で一般のスキームのチャウ群の理論(特に反変関手性)を整備した。 広島大学大学院理学研究科の木村俊一氏の発案による大学院生向けのワークショップ「モチーフ勉強会第3回(7月)」に講演者として参加し、有限体上の代数曲面のハッセ・ヴェイユゼータ関数の特殊値のアルティン・テイト公式について講演を行った。モチーフ勉強会等の試みについては今後も意欲的に参加する予定である。
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