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2005 年度 実績報告書

代数的ベクトル束のモジュライの研究

研究課題

研究課題/領域番号 17740013
研究機関京都大学

研究代表者

阿部 健  京都大学, 数理解析研究所, 助手 (90362409)

キーワード代数的ベクトル束 / モジュライ
研究概要

本年度も昨年度に引き続き、結節点を持った代数曲線上のSL(2)束のモジュライについて研究した。昨年度の研究対象が、「大きな」コンパクト化である、ギーゼカ流のコンパクト化であったのに対し、今年度は、「小さな」コンパクト化である、捩れ無し層によるコンパクト化について調べた。Faltingsの結果によりこのコンパクト化は正規になることが分かる。これの特異点解消の様子を調べることにより、一般テータ関数の空間の分解定理を導くことができた。これは、共形場理論における共形ブロックの空間の分解定理の代数幾何における対照物である。
さらにこれの応用として、SL(r)-GL(n) strange dualityのDonagi-Tuによる一般化をr=2の場合に解決した。これを詳しく述べると次のようになる。SL(r)束のモジュライ上の一般テータ関数の中にはGL(n)束に付随して作られるものがある。このようなGL(n)束から来る一般テータ関数たちが、一般テータ関数のなすベクトル空間を張る、というのが、SL(r)-GL(n) strange dualityである。本研究者は、このSL(r)-GL(n) strange dualityの主張を、放物型のベクトル束に拡張した。そして、曲線の種数が1の点つき曲線で、点の個数が2個以下の場合に,r=2のとき放物型のSL(r)-GL(n) strange dualityを証明した。最後に曲線が退化したときの上の分解定理を用いて、GL(n)束から来る一般テータ関数の退化の様子を調べた。その結果、研究者は本年度、r=2の場合に、退化の議論を用いてr=2の場合にSL(r)-GL(n) strange dualityを証明することに成功した。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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