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2005 年度 実績報告書

非正則ジーゲル保型形式のフーリエ展開と保型的L関数の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17740023
研究機関上智大学

研究代表者

森山 知則  上智大学, 理工学部, 助手 (80384171)

キーワード整数論 / 保型形式論 / ジーゲル保型形式 / 保系的L関数 / 保型形式のフーリエ展開 / 特殊関数
研究概要

1.大域的Whittaker模型を持つ次数2のジーゲル尖点形式のうち、いわゆる波動形式と呼ばれるものについての石井卓氏との共同研究の成果を論文にまとめ、学術雑誌に投稿した。この論文では、問題の波動形式のspinorL関数が整関数に解析接続され、所望の関数等式を満たすことを証明した。証明は、研究代表者による以前の論文と同様に、M.NovodvorskyによるspinorL関数の積分表示(Novodvorskyのゼータ積分)を用いる。ここで、実素点における局所Whittaker関数の表示式が必要となる。そのようなものは、すでにS.Niwaがテータ対応を用いて得ていた式のメリン変換することで、局所Whittaker関数の新しい表示式を与えた。この新しい表示式によると、Novodvorskyのゼータ積分の局所積分が極めて円滑に計算でき、上記の結果に到達した。
2.大域曲Whittaker模型を持つ次数2のジーゲル尖点形式と楕円尖点形式の組から、8次のオイラー積を持つ保型的L関数が定まる。すでに前年度までに得ていた、このL関数の基本的な解析的性質について論文"L-functions for generic cusp forms on GSp(2)×GL(2)"を作成し、おおよそ完成させた。この論文の執筆の過程で、大域的新谷汎関数の消滅とジーゲル尖点形式のspinorL関数の正則性の間に密接な関係があることに気がついた。これも上記論文に含めることとした。この観察は、下に述べるspinorL関数のAndrianov型の積分表示とも関連し、spinorL関数の詳細な研究につながるものと期待される。
3.ある種の次数2の非正則尖点形式のフーリエ展開は、大域的Bessel模型なるもので記述される。前年度までの研究で、大域的Bessel模型の実素点における寄与が、MeijerのG関数なる一般化超幾何方程式の解で表示されることが分かっている。この事実の、spinorL関数のAndrianov型の積分表示への応用について、考察した。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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