研究概要 |
高次の接続つきの直線束としてのドリーニュ・コホモロジー類の高次のホロノミーの概念を五味清紀氏(東大数理)との共同研究で単体多様体の場合に拡張することが出来た.この結果によって,C.Vafaが発見した軌道体モデルにあらわれる離散トーション位相が高次のホロノミーとして幾何的に自然に解釈されることを示すことができた.M.Douglasらによって,離散トーション位相と非可換幾何学との関係が示唆されており、彼らの仕事と私たちの仕事との具体的な関係を見出すことは興味深いと考えている.梶浦宏成氏(京大基研)との共同研究で,M.Kontsevichによって述べられたホモロジーベクトル場についての分離定理に証明を与えて,ホモロジーベクトル場の一般論を展開した.森下昌紀氏(九大数理)との共同研究で,S.BlochとP.deligneによる構成を拡張する形でリーマン面上の多重シンボルを導入し,その幾何的な解釈を与えた.
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