研究概要 |
本年度は,対称空間内の超曲面に関する研究と,その応用を目指し,以下の研究を行った. (1)非コンパクト型対称空間のうち,特にその階数が1となるものについて,その等質超曲面に関する研究を行った.その結果,多くの空間に対し,その等質超曲面の分類を完成することが出来た.一部,残された問題がある為,来年度以降も継続して研究を進める予定である. (2)階数が高い非コンパクト型対称空間についても,その等質超曲面の研究を行った.多くの例を構成することに成功し,その幾何学的な性質についての研究にも進展が見られた.この研究により,分類に向けての方針が与えられたが,その為にはより深く研究を進める必要があると思われる. (3)対称空間内の超曲面の応用の一つとして,可解多様体の幾何学(曲率の決定など)の研究を行った.この研究により,多くの非コンパクト等質Einstein多様体の例を構成することが出来た.この研究の鍵となった部分は,それらが非コンパクト型対称空間の等質リーマン部分多様体となることであり,超曲面論および部分多様体論の応用の一例である. (4)関連する幾何学の問題への応用を探るため,6月には京都大学数理解析研究所で,10月には広島大学で,部分多様体および関連する話題に関する研究会を主催した.また,広島大学においてトポロジー幾何セミナーを主催し,講演および質疑応答を通して,研究打ち合わせを行った.
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