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2005 年度 実績報告書

統計的非正則推定論における情報不等式の効用

研究課題

研究課題/領域番号 17740047
研究機関筑波大学

研究代表者

大谷内 奈穂  筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助手 (40375374)

キーワード情報量 / 情報不等式 / 不偏推定量 / 事前確率測度 / 位置母数 / 切断分布族 / ベイズ / 十分統計量
研究概要

統計的推定論において,適当な正則条件の下では不偏推定量の分散の限界を与える情報不等式として,Cramer-Rao(C-R),Bhattacharyyaの不等式等が知られている.一方,正則条件が必ずしも成り立たないような非正則の場合には,位置母数をもつ切断分布族に適用可能なHammersley-Chapman-Robbinsの不等式がよく知られている.また,一般に,母数空間の任意の2点における任意の不偏推定量の分散の凸結合に対する下界は,Vinczeによって,C-Rの不等式に基づいて間接的に求められているが,その下界を達成する推定量までは求められていない.その点を改良するために,Vinczeと同様の不等式をLagrange法を用いて直接的に導出した.また,Lagrange法を用いる長所として,その下界を達成する推定量を同時に求めることができる.本研究では,より一般に,任意の不偏推定量の混合事前確率測度に関するBayesリスクに対する情報不等式をVinczeと類似の方法で導出し,その下界に現われる情報量は,切断位置母数分布族の場合,事前密度による情報量と比例関係にあり,その比例定数は切断点での密度の高さの比で表されることが分かった.また,母数空間上に任意に1点を固定した場合に,その点での不偏性等の条件をみたす推定量の分散についてのBayes型情報不等式も導出した.この情報不等式の特別な場合として,Chapman-Robbins型の情報不等式やKieferの情報不等式が含まれる.さらに,不偏推定量の分散に対する(Kieferの情報不等式による)下界が得られ,一様分布,指数分布の他にPareto分布の場合について考察し,そのときはUMVU推定量がその下界を達成することも示した.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Lower bounds for the Bayes risk of unbiased estimators in non-regular cases.2005

    • 著者名/発表者名
      大谷内奈穂
    • 雑誌名

      京都大学 数理解析研究所講究録 1439

      ページ: 247-253

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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