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2005 年度 実績報告書

逆問題の解の再構成のための数値解析理論の構成と次世代数値計算環境の設計と実装

研究課題

研究課題/領域番号 17740057
研究機関京都大学

研究代表者

藤原 宏志  京都大学, 情報学研究科, 助手 (00362583)

キーワード数値解析 / 高精度数値計算 / シミュレーション工学 / 逆問題 / 非適切問題 / 数値的不安定性 / 多倍長計算 / 浮動小数点演算
研究概要

本研究は,逆問題および非適切問題の数値シミュレーション手法の確立を目的とする.本年度は,その基礎となる高精度数値計算環境として,スーパーコンピュータで利用可能な多倍長数値計算ソフトウエアの実装をおこなった.このソフトウエアはスーパーコンピュータHPC2500において,数値計算で広く利用されるFortran90およびC++言語において利用可能である.
科学技術数値計算では浮動小数点演算によって実数の近似と演算がなされる.今日ではIEEE754に定義される倍精度方式が一般的に利用されており,10進法で約15桁の精度で実数の近似がなされる.そのため,計算機上では実数体を厳密に扱うことができず,計算機の仕様に由来する丸め誤差が混入する.この丸め誤差の影響を隠蔽するために,計算に応じて実数の近似精度を任意に設定可能な多倍長数値計算の利用が効果的であることが近年示されている.
多倍長数値計算を実現するうえでの困難点は,大規模なメモリが必要な点と,個々の四則演算などの演算時間が大きいことである.そこで,逆問題の数値シミュレーションに適用するには,大規模な数値計算を実現する必要があり,そこでは大容量のメモリと多数のプロセサによる並列計算の利用が実用上は有効であると考え,スーパーコンピュータHPC2500においてアセンブリ言語で多倍長数値計算環境の設計と実装をおこなった.また,数値計算ではFortran90が多く利用されていることを考慮し,Fortran90とC++言語のインターフェースの設計と実装も同時におこなった.また,並列計算による多倍長数値計算の高速化の検証により,並列計算の有効性が確認された.研究成果として得られたソフトウエアは,インターネット上において公開される予定である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] スペクトル要素法による弾性体方程式の数値シミュレーションについて2006

    • 著者名/発表者名
      藤原宏志
    • 雑誌名

      第55回理論応用力学講演会論文集

      ページ: 645-646

  • [雑誌論文] スペクトル要素法による非適切問題の離散化と数値計算2006

    • 著者名/発表者名
      藤原宏志
    • 雑誌名

      第55回理論応用力学講演会論文集

      ページ: 469-470

  • [雑誌論文] 高速多倍長計算環境における数値解析2005

    • 著者名/発表者名
      藤原宏志
    • 雑誌名

      日本応用数理学会論文誌 Vol.15,No.3

      ページ: 403-407

  • [雑誌論文] 第一種積分方程式の高精度数値計算について2005

    • 著者名/発表者名
      藤原宏志
    • 雑誌名

      日本応用数理学会論文誌 Vol.15,No.3

      ページ: 419-434

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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