研究概要 |
平成17年度は次の予想を掲げ、以下の証明方法で予想の解決に努めた。 [予想]グラフGはk連結グラフ(k≧2)で、k頂点からなる任意の独立集合(すべての頂点対の距離が2)に対して、その最大次数がd以上とする。このときGには長さmin{|V(G)|,2d}以上の閉路が存在する。 (証明方法) 初めに、k連結グラフGには長さmin{|V(G)|,2d}以上の閉路は存在しないと仮定する。この仮定のもとで最長閉路Cを考え、G-V(C)の任意の連結成分をHとする。まず、連結成分Hは完全グラフで、Hに含まれるすべての頂点の次数はdよりも小さいことを証明する。これを利用して最長閉路C上に次数がd以上の頂点を見つけ、Cの長さを求める。 上記証明方法では、Hが2連結グラフである場合とそうでない場合に分けて証明を行うことになる。その際、Hがいずれの場合にも仮定に矛盾する最大次数がdよりも小さい独立集合を見つけることになるが、独立集合に含まれるすべての頂点対の距離が2となっていることを確認しなければならない。この点が証明を非常に難しいものにしている。これまで、上記証明方法以外にも様々な方法を試みてきたが、現在、予想の解決には至っていない。今後は、独立集合に含まれるすべての頂点対の距離が2であるという条件を弱め、すなわち、幾つかの頂点対については距離が2でなくてもよい、などの問題を考え、予想の解決への足掛りにしていきたいと考えている。
|