研究概要 |
方程式-ε^2Δu=g(u) in Ωの正値解について、一般の非線型項g(u)でε→0での特異極限問題を考え、方程式が-ε^2Δu=(u-1)^p_+でp【greater than or equal】1の場合に得られる結果がどの程度一般的な非線型項g(u)に対して成立するのかについて研究・考察を行った。この非線型項はzero mass caseと呼ばれ、同様の特異極限の問題で非常に多く研究されているpositive mass caseでは解が指数減衰するのに対し、zero mass caseでは指数減衰しない点が大きく異なっている。予想としては、全空間の問題について考察されている[H.Berestycki and P.L.Lions, Arch.Rat.Mech.Anal. 82(1983)]で挙げられているg(u)の条件をみたす程度まで一般化できると思われる。 特に方程式-ε^2Δu=V(x)(u-1)^p_+ in Ωに対して、領域やV(x)が解に与える影響を考察した[Shibata, Asymptotic Anal. 31(2002)]を一般の非線型項に拡張するべく研究・考察を行い、ある程度一般化できたが、目標となるBerestycki-Lionsによる条件までは至っていない。この結果は論文として執筆中である。 また、研究集会「変分問題とその周辺」「SNP2006」へ参加し、研究者との交流を通じて最新の研究や手法を見聞できたことは、研究をすすめる上で参考になった。
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