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2006 年度 実績報告書

くりこみ理論の再定式化を用いた複素力学系のパラメータ空間の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17740093
研究機関京都大学

研究代表者

稲生 啓行  京都大学, 大学院理学研究科, 助手 (00362434)

キーワード複素力学系 / くりこみ
研究概要

複素平面上での多項式の力学系を考える.パラメータ空間内において,(多項式類似写像の意味で)くりこみ可能なパラメータ集合を考えると,その上でstraightening mapという,別の多項式のパラメータ空間のconnectedness locus (Julia集合が連結となるパラメータ集合)への写像が自然に定義される.このstraightening mapは2次多項式においては常に同相写像を与え,それによってMandelbrot集合の境界の自己相似性が得られることが以前から知られている.
しかしながら3次以上の場合にはstraightening mapは一般には連続にはならないことを,反例を具体的に構成することで示した.DouadyとHubbardによって3次以上の多項式類似写像の族のstraightening mapは一般に連続にならないことは示されていたが,多項式を制限して得られた場合に限った場合どうなるかは知られていなかった.証明においては彼らの用いた放物型周期点の分岐理論をさらに応用することでstraightening mapの連続性を周期点の微分の絶対値に関連づける,ということが重要な役割を果たしている.また,ハイブリッド同値で,しかも全ての対応する周期点の微分の絶対値が等しい2つの多項式類似写像は解析的に共役であることはPradoらによって示されている.そのように2つの多項式のくりこみが解析的に共役な時は,ある多項式があって,2つともその多項式と半共役となることも示すことができた.
これらの結果は1つの例だけではなく,ほとんどの場合においてstraightening mapは不連続である,ということを強く示唆している.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Discontinuity of the straightening map for a family of renormalizable polynomials2007

    • 著者名/発表者名
      稲生 啓行
    • 雑誌名

      数理解析研究所講究録「複素力学系とその周辺」 1537

      ページ: 163-169

  • [雑誌論文] Limits of renormalizable polynomials2006

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Inou
    • 雑誌名

      Nonlinearity 19

      ページ: 1769-1799

  • [雑誌論文] Homeomorphisms from Julia sets into connectedness loci2006

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Inou
    • 雑誌名

      Ergodic Theory and Dynamical Systems 26

      ページ: 1087-1113

  • [雑誌論文] Bijectivity of straightenings for families of renormalizable cubic polynomials2006

    • 著者名/発表者名
      稲生 啓行
    • 雑誌名

      数理解析研究所講究録「複素力学系とその周辺分野の研究」 1494

      ページ: 106-116

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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