• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

力学系における非線形現象と結び目や組紐の関連について

研究課題

研究課題/領域番号 17740094
研究機関東京工業大学

研究代表者

金 英子  東京工業大学, 大学院情報理工学研究科, 講師 (80378554)

キーワードトポロジー / 力学系 / 組ひも / 結び目 / カオス / pseudo-Anosov / 双曲幾何 / 周期軌道
研究概要

曲面上の写像類群の各元(写像類)は3つのタイプ:periodic, reducible, pseudo--Anosov (pA)に分類できる.このうちで最も一般的な場合がpAであり,このタイプの写像類の代表元であるpA写像とよばれる写像は,力学系,双曲幾何,葉層の研究においては興味深くまた大変重要な対象である.特に曲面が穴あき円板である場合は,写像類は組ひもと同一視できる.これによって組ひものタイプが意味をもつ.
pA写像類は2つの自然な不変量を持つ.pA写像には,1より大きな代数的整数が付随しておりdilatationとよばれている.これが1つ目の不変量である.各写像類において,任意の代表元をとり,その同相写像による写像柱とよばれる3次元多様体を考える.写像類がpAであるとき,またそのときに限り,写像柱には完備双曲構造が入る.従って写像柱の双曲体積は写像類の(2つ目の)不変量を与える.本年度の成果は,2つの不変量の関係を考察した以下の2つであり,これらは高沢光彦氏(東京工業大学)との共同研究で得られた.
(1)Nこの穴あき円板上の写像類の最小のdilatationは,Nを大きくすればいくらでも1に近い値をとることがわかっている.従って,いくらでも小さいdilatationをもつ写像類を具体的に構成することができるが,このような写像類の体積の値には何らかの制限があるのだろうか?我々は,いくらでも小さいdilatationといくらでも大きな体積を持つ写像類を具体的に構成することで,体積の値には制限が無いことを示した.
(3)3この穴あき円板上のpA写像類について,2っの不変量の比:volume/log(dilatation)を考える.この比は写像類に依存せず,ある定数c>0によって下から押さえられることを示した.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] A family of pseudo-Ansoov braids with small dilatation2006

    • 著者名/発表者名
      Eriko Hironaka, Eiko Kin
    • 雑誌名

      Algebraic and geometric topology 6

      ページ: 699-738

  • [雑誌論文] 曲面上の同相写像の周期軌道と擬アノソフ型の組みひもについて2006

    • 著者名/発表者名
      金 英子
    • 雑誌名

      京都大学数理解析研究所講究録 1485

      ページ: 59-68

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi