研究課題
主系列星のまわりにあるダスト円盤の構造が、地球型惑星の重力でどのようにゆがむか、その構造を数値的に求めるコードの開発を行い、ほぼ完成させた。太陽質量の主星、地球質量の惑星の重力下で、主星の輻射の影響も受けるダストの軌道を、制限3体問題をαエルミート法を用いて解くことにより求めた。つぎに、その軌道を多数のダストについて重ね合わせることにより、ダスト円盤のゆがみを求めた。その結果、以下のことが明らかになった。形成される円盤の構造は、円盤を構成するダストのサイズによって大きく変わってくる。ダストのサイズが大きいほど、輻射から受ける抵抗の影響は小さい。そのため、惑星から遠い共鳴でも十分捕獲され、より長い時間捕獲が維持される。その結果、大きいダストが作る構造は、大きなスケールになる。一方、小さなダストは輻射抵抗の影響が大きく、惑星の近傍の共鳴で捕獲される。そして、短期間で惑星の近接散乱を受け、共鳴から離脱する。この結果、小さいスケールの構造を形成する。これらの結果は、ダストのサイズと、捕獲が起こる共鳴の位置をプロットしたグラフを描くことにより、系統的に理解できることを明らかにした。つづいて、質量が地球の10倍の惑星についても計算を行った。その結果、地球質量に比べて、より遠い共鳴にダストが捕獲され、大きなスケールの構造ができることがわかった。この結果も、ダストサイズと捕獲が起こる共鳴の位置の関係をプロットすることにより理解できる。このような図を描くことにより、今後複雑な数値計算をしなくとも、ダスト円盤の構造をある程度推測することができることを示した。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (2件)
The Astrophysical Journal 623,1
ページ: 482-492
The Astrophysical Journal 627,1
ページ: 286-292