研究課題
Chandra衛星でL1448星生成領域を観測し、17分×17分の視野内に72個のX線源を検出した。KPNO 4m望遠鏡で赤外線による追観測を行い、X線源のうち12個のIDをつけた。赤外線での限界等級は17等であった。これらのIDできたソースはX線帯域での平均エネルギー対X線・赤外線間のフラックス比のプロットで2つのグループに分かれた。X線スペクトル、X線の時間変動、および赤外線等級とカラーにより、一つは前主系列星および褐色矮星、もう一つは銀河系外天体であると結論できた。前者は今回の観測で新たに発見されたこの領域に付随する天体群で、全部で10個存在した。またL1448 IRS3という中間赤外線で確認されている原始星近傍からX線の兆候が見られた。ここからは我々の近赤外線観測では信号が検出できていないことから、非常に若く、分子雲に埋もれた原始星の可能性がある。(Tsujimoto et al.2005 AJ)オリオン分子雲の超長時間観測をChandra衛星で行い、主系列以前の星から中性鉄輝線を検出した(Tsujimoto et al.2005 ApJS)。検出したソースは127のサンプル中の7天体であり、それらは全て観測中にフレアを起こし、熱的なX線放射をし、近赤外対応天体をもっていた。それらのX線が大きな吸収を受け(NH>1x10^<22>cm^<-2>)、赤外超過を示していることから、この中性鉄輝線は磁気再結合でできたフレアループからのX線が星周円盤に照射し、吸収されて蛍光輝線として再放射されたものだと我々は解釈した。XMM-Newton衛星ではCepA領域のHH168ジェットをX線検出した(Pravdo & Tsuboi 2005 ApJ)。可視光で明るい複数のノットのすきまをX線ノットが埋めるような構造をしていた。またそのエンジンと考えられる原始星近傍から吸収を強く受けた硬X線を発見した。また、原始星の進化したなれの果てであるブラックホールと超新星残骸の研究を行った。(Mori et al.2005 Advances in Space Research, Maeda et al.2005 ApJ)
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Advances in Space Research Volume 35, Issue 6
ページ: 1137-1141
The Astrophysical Journal Vol.626, Issue 1
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