研究課題
南アフリカ共和国に設置された赤外望遠鏡を用いて、大小マゼラン銀河中に存在する可視では見えない赤外線星の変光をモニターする観測を行った。この観測は2000年12月より5年間以上にわたって継続されており、赤外域での観測としては過去、現在ともに例を見ない大規模な物である。これまでに得られた膨大な解析済みのデータに、平成17年度中に取得されたデータを更に足して、大小マゼラン銀河中に存在する2万星を越える変光星のデータベースを作成した。このための、データベース化を行うソフトウェアの開発も順次行った。このデータベースは、現在は個人的な使用に留まっている段階でありinternetを通じた天文コミュニティーへの公開は行っていない。平成18年度中には論文を執筆し、その後、世界にむけて順次この変光星データベースを公開していこうと考えている。データベース化に関連し、貴重な観測データが不慮の事故で失われないように、データサーバーを構築してデータのバックアップを自動的に行う体制も整えた。上記観測結果の一部をまとめ、イタリアで行われた国際研究会"Stellar Pulsation and Evolution"に出席し、口頭発表を行って他の研究者と意見交換を行った。2006年2月にはASTRO-F衛星(あかり)が打ち上げられた。全世界に向けて観測計画が公募されたのを受け、小マゼラン銀河中の赤外線星を中間赤外領域で観測する計画を立案し、観測時間を応募したところ、計画が採択されて、貴重なスペースからのデータを待っている段階である。上記の赤外線モニター観測データと組み合わせる事で、質量放出現象が中小質量星の進化にどのような影響を与えるかが明らかとなる。
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Publications of the Astronomical Society of Japan Vol.57, No.6
ページ: 933-949
The Astronomical Herald Vol.98, No.3
ページ: 163-168
Publications of the Astronomical Society of Japan Vol.57, No.1
ページ: L1-L6
"Stellar Pulsation and Evolution", 2005. Monte Porzio Catone, Italy. (Eds.:A.R.Walker and G.Bono)(Mem.Soc.Ast.It.) (印刷中)