研究課題
本毎度は、まずXMMニュートン衛星によるクエーサーの観測データを用い、エディントン比と呼ばれるブラックホール質量で規格化した光度ごとに平均化したスペクトルを作った。その結果、光度の大きいものほどブラックホール近傍から放射される輝線スペクトルの幅が広いことがわかった。今後「すざく」衛星でブラックホール近傍の研究を行う際に、光度の大きいものを選ぶことが有利であることを示した。また、活動的銀河核の進化にも関係している可能性が指摘されている、超光度X線源と呼ばれるブラックホール天体について、M51銀河のチャンドラ衛星によるX線観側データとハッブル宇宙望遠鏡による可視光観側データを用いた研究を行った。その結果これらのブラックホールは、銀河の中で星団中や星団のない場所など様々な環境に存在することがわかった。このことはその形成過程が多様であることを示している。またチャンドラ衛星のデータを用いてNGC 1097銀河中心の低光度ブラックホール降着流の構造と放射過程の研究も行った。また、「すざく」衛星の観測データを用いた活動銀河核の構造を探る研究を始めた。X線CCD カメラと硬X線検出器のデータを解析し、信頼できる解析を進めるために現状の機器の較正とバックグラウンド差し引きの精度の評価を行った。
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Astrophysical Journal (in press)
Astrophysical Journal Letters 631
ページ: 65
天文月報 7月号
ページ: 453