研究課題
まず、昨年度行ったXMMニュートン衛星による観測データを用いてクエーサー中心核付近の構造に関する成果を定量的に論文としてまとめた。本年度は「すざく」衛星によるX線観測データを用いて、比較的近傍にあって明るい活動的銀河核のスペクトルとその時間変化の解析を進め、銀河中心核のブラックホールのごく近くの領域の構造に関する研究を行った。その結果、ブラックホールの近くの物質が極めて高速に運動している徴候を、これまでに比べ圧倒的に少ない不定性で見つけることができた。また、スペクトルの変化が、中心核近傍で作られるべき関数型のX線と、そのX線がブラックホールのまわりの物質で反射されたものの2成分の組み合わせで理解できることを示した。次に、銀河中心核から少し(距離にして数パーセク)離れた領域の構造についての研究も進めた。鉄の蛍光輝線の詳しい解析から、その領域では電離状態が非常に低いことを、これまでに比べ圧倒的によい精度で明らかにした。この領域のガスは中心核ブラックホールを遮蔽していることがしばしば観測されている。Swift衛星による硬X線サーベイで新たに見つかったブラックホールの観測を「すざく」衛星で進め、非常に質の高いスペクトルから、それらのブラックホールが極めて幾何学的に厚いガスに覆われている、新種の隠されたブラックホールであることを発見した。これらの成果は国際学会や国内の学会などで口頭発表し、論文として発表した。さらに数篇の論文を準備中である。これらの個別の成果をふまえ、活動的銀河核の進化や銀河の進化と関連づけるため、統計的解析を進めている。
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Publications of the Astronomical Society of Japan S59
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