研究課題
2005年7月X線天文衛星すざくの打ち上げに成功した。運用開始後、SWGの観測時間枠を用い、銀河系中心の観測を行った。SWG teamで共同して解析を進めた。いままでの衛星では検出できなかったFe-Kβ/Ni-Kαの輝線を検出し、高温プラズマの温度とアバンダンスをいままでにない精度で求めることができた。また、いろんな電離準位にある鉄元素からの輝線から、低電離のものを抜き出し、いままではっきりと見つかっていなかった分子雲からも蛍光鉄X線を検出した。初期成果を2006年3月にミュンヘン近郊で行われた日独ワークショップにて報告させていただいた。すざくと並行して、チャンドラの解析を進めた。銀河系中心からわずか一分角以内に位置する超新星残骸Sgr A Eastの解析結果についてまとめた。Sgr A Eastのシェルのなかに興味深いフィラメント構造とその先に位置する点源を再確認した。スペクトルや空間構造の解析から、その天体がSgr A Eastが超新星爆発を起こした際に生成した中性子星である可能性が高いことを確認した。また銀河中心方向から見つかった長時間MACHO天体について解析をすすめ、そのX線光度が通常のブラックホール連星系の低光度状態よりも暗いことを突き止めた。この結果からこのMACHO天体の正体が星間空間に浮かぶ、質量降着の進んでいない連星になっていないブラックホールである傍証を得た。連星以外のブラックホールをX線で調査した最初の研究である。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (3件)
The Astrophysical Journal 635,1
ページ: 214-242
The Astrophysical Journal 631,2
ページ: 964-975
The Astrophysical Journal Letter 631,1
ページ: 65-68