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2006 年度 実績報告書

超新星元素合成と超新星起源プレソーラーグレインの重元素同位体比の再現

研究課題

研究課題/領域番号 17740130
研究機関国立天文台

研究代表者

吉田 敬  国立天文台, 理論研究部, 研究員 (80374891)

キーワード宇宙物理 / 天文 / 理論核物理 / 理論天文学 / 惑星起源・進化
研究概要

本研究は超新星混合モデルを用いて超新星起源プレソーラーグレインの同位体比を再現することを目的とする.最終的には重元素まで含めた元素同位体比を再現する超新星混合物の特徴を明らかにする.
我々は3.3,4,6,8太陽質量のHe starモデル(13,15,20,25太陽質量の主系列星に対応)の超新星ejectaの元素組成分布をNi層,Si/S層,O/Si層,C/O層あるいはO/C層,He/C層,He/N層の7層に分割し,46個のSiC Xと低密度グラファイトという超新星起源グレインの同位体比を再現する混合組成を調べた.その結果,これらグレインについてC, N, ^<16>O/^<17>O, ^<16>O/^<18>O, Al, ^<29>Si/^<28>Si, ^<30>Si/^<28>Si, ^<44>Ti/^<48>Ti同位体比の中で最大6種類を再現する混合組成を得た.そして,超新星混合物にはHe/N, He/C層という外側の層だけでなく星の内側にあるNi層の寄与も重要であることが得られた.結果の詳細は現在Astrophysical Journalへ投稿中.
重元素同位体比の再現については,重元素合成を追う核反応ネットワークが完成し,現在,4,8太陽質量He starモデルを用いて恒星進化時および超新星爆発時の元素合成過程を数値計算により求めている.そして,数値計算結果を他の研究グループの結果と比較,検討している.
超新星元素合成に関して,超新星で生成される軽元素の生成量に対する超新星ニュートリノの依存性についても調べた.我々は超新星ニュートリノのニュートリノ振動を考慮して超新星における^7Liや^<11>Bという軽元素の生成量を調べた.その結果,順質量階層かつ混合角sin^22θ_<13>が0.002以上の場合にニュートリノ振動を考慮しない場合よりも^7Li/^<11>B比が大きくなることが得られた.これにより,将来超新星起源プレソーラーグレインで軽元素生成量比が測定されると,その値がニュートリノ振動パラメータに対する制限のひとつになる可能性があると考えられる.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] How do we mix supernova ejecta to reproduce isotopic ratios of presolar grains?2006

    • 著者名/発表者名
      Takashi Yoshida
    • 雑誌名

      New Astronomy Reviews 50

      ページ: 600-603

  • [雑誌論文] Neutrino Oscillation Effects on Supernova Light-Element Synthesis2006

    • 著者名/発表者名
      T.Yoshida, T.Kajino, H.Yokomakura, K.Kimura, A.Takamura, D.H.Hartmann
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal 649

      ページ: 319-331

  • [雑誌論文] Neutrino-nucleus reactions based on new shell model Hamiltonians2006

    • 著者名/発表者名
      T.Suzuki, S.Chiba, T.Yoshida, T.Kajino, T.Otsuka
    • 雑誌名

      Physical Review C 74

      ページ: 034307

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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