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2005 年度 実績報告書

原子核における共有結合モデルの検証

研究課題

研究課題/領域番号 17740132
研究機関東京大学

研究代表者

川畑 貴裕  東京大学, 大学院・理学系研究所, 助手 (80359645)

キーワードクラスター状態 / アルファ非弾性散乱 / 超前方測定 / 共有結合 / 反跳陽子検出器
研究概要

A=4Nの質量数をもつ軽い原子核では、N個のα粒子からなるクラスター状態がα崩壊の閾値近傍に現れることが知られている。例えば、^<12>Cでは3個のα粒子からなる3αクラスター状態の存在が知られている。近年、αクラスター模型はA=4N以外の原子核にも拡張されつつあり、^<12>Cに中性子をひとつ追加した^<13>Cには、クラスター状態をなす3個のα粒子が中性子を介して共有結合している状態が存在すると予測されている。一方、^<12>Cから陽子をひとつ取り除いた核である^<11>Bでは、3個のα粒子が空孔を共有している状態が存在する可能性がある。これらの背景を踏まえ、本研究では3α配位,3α+n配位および3α+p^<-1>配位をもつ^<12>C,^<13>Cおよび^<11>Bのクラスター状態をα非弾性散乱の手法で研究し、原子核における共有結合モデルを検証することを目的とする。
本年度は、高精度実験に必要不可欠な高純度の^<12>C,^<13>C,^<11>B標的を熱クラッキング法、イオンスパッタリング法を用いて製作した。さらに、標的中に微量含まれる水素からのバックグラウンドを除くために必要な反跳陽子検出器を開発した。これら、一連の開発のあと、大阪大学核物理研究センターのリングサイクロトロン施設で加速された400MeV αビームを用いて、^<12>C,^<13>C,^<11>B標的からの非弾性散乱実験を実施し、運動量移行の小さな超前方角度における高精度の実験データを得ることに成功した。一般に測定が難しいとされる超前方角度において、2.12MeVという低励起状態の測定に今回初めて成功したことは特筆に価する。取得したデータについては、内外の研究者と密接に情報を交換しつつ、順調に解析を進めている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Isovector and isoscalar spin-flip M1 strengths in ^<11>B2005

    • 著者名/発表者名
      T.Kawabata
    • 雑誌名

      Journal of Physics ; Conference Series 20

      ページ: 175

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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