研究概要 |
余次元理論の枠組みでは、ヒッグス場がゲージ場の一部として導出される可能性がある。その場合、ヒッグス場の量子論的発散が消滅し、湯川相互作用も自動的に得られる。この理論に注目し、5次元orbifold上のSU(N),SO(10)、gauge理論の真空の相構造の解析とgauge-Higgs unification理論における量子効果の評価、相構造の解析、動力学的電弱相転移の可能性の評価を行い、今まで知られていなかった真空構造が明らかになった。また、weak scaleの真空期待値を保ちながらSUSY particlesとヒッグス粒子がTeVスケール以上の質量を持つ可能性についての解析を行った。さらに、guge-Higgs unifaciation理論におけるHiggs massの計算は、無限個のKK modeの効果を取り入れたeffective potentialの導出が必要であった。しかし、compact化のscaleでHiggs4点self couplingがゼロになる境界条件(guage-Higgscondition)を課した(4d有効理論の)RGE解析によっても等価な結果が得られることを示した。この結果、guage-Higgs unification理論でのHiggs massの解析が非常に簡単に出来るようになった。 Flevor構造に関して、neutron EDMの1,2世代混合の効果の解析によって新しい制限が得られた。更に、超対称性理論における量子補正によるフェルミオンの世代構造生成の可能性に関する解析を行い、模型の新たな可能性を示した。また、クォーク・レプトンの世代とヒッグス場にS3 flavor離散対称性を導入して、Higgs potencialの真空がzero textureを実現する新しい機構を考案した。その結果、今までは単に仮定でしかなかったtexture(特に非対称型zero texture mass matrix等)が仮定でなく模型から導出できるようになった。また、この手法をGUTに適応することで(neutrino sector sectorのみに注目するtexture解析と違って)クォークとレプトンを関係付けてtextureの解析をすることが出来るようになった。
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