• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

サブバリヤエネルギ反応による新同位体264Sgの合成

研究課題

研究課題/領域番号 17740164
研究機関独立行政法人日本原子力研究開発機構

研究代表者

西尾 勝久  独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 研究副主幹 (70343928)

キーワード超重元素 / シーボーギウム / ウラン238 / ケイ素30 / サブバリヤエネルギ / 融合断面積 / 自発核分裂
研究概要

本研究は、ウラン238(^<238>U)とケイ素30(^<30>Si)の融合反応により、超重元素の新同位体シーボーギウム264(^<264>Sg)を合成し、この原子核の崩壊特性、特に自発核分裂特性を測定することを目的とする。^<238>Uはラグビーボール型に変形している。このため、^<30>Siと^<238>Uの先端部衝突では、1次元モデルに比べてクーロン障壁が低くなり、サブバリヤエネルギでも反応がおこる。このエネルギー領域で原子核どうしを融合させることで複合核の励起エネルギーをおさえ、4nチャンネルとして^<264>Sgを合成するところに特徴がある。昨年度は、原子力機構タンデム加速器施設において、^<30>Siと^<238>Uがクーロン障壁を透過する断面積(核分裂断面積)を測定し、^<238>Uの先端部と赤道面への衝突に相当するクーロン障壁の高さを明らかにした。本年度は、融合反応で^<264>Sgの合成を行った。実験は、ドイツ重イオン研究所(GSI)の線形加速器施設から供給される^<30>Siビームを用いて行った。生成された超重元素を飛行分析型の分離装置でビームから分離して、崩壊イベントを測定した。まず、赤道面衝突に相当する反応エネルギーで5nチャンネルの^<263>Sg(既知核)を合成し、α崩壊を測定した。ここから反応エネルギーを11MeV下げ、3イベントの自発核分裂核種を同定した。複合核の励起エネルギーが11MeV低いことから、4nチャンネルの蒸発残留核、すなわち新同位体^<264>Sg(中性子数158)であると決定した。半減期は120msであった。この値は、Sgの他の軽い同位体(^<258>Sg,^<260>Sg,^<262>Sg)に比べて長いことから、中性子数162で閉殻構造になるという理論予測と一致した。1イベントについては、2つの核分裂片の運動エネルギーを同時計測し、全運動エネルギーとして197MeVを得た。これは、プルトニウム同位体の自発核分裂に比べて約20MeV高いエネルギーであり、原子番号が106と大きいため多くのエネルギーが解放されることを示す。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Measurement of evaporation residue cross-sections of the reaction ^<30>Si + ^<238>U at subbarrier energies2007

    • 著者名/発表者名
      K.Nishio et al.
    • 雑誌名

      Tours Symposium on Nuclear Physics VI, Torus, France, 5-8, September 2006. AIP Conference Proceedings 891

      ページ: 71-79

  • [雑誌論文] Measurement of evaporation residue cross-sections of the reaction ^<30>Si + ^<238>U at subbarrier energies2006

    • 著者名/発表者名
      K.Nishio et al.
    • 雑誌名

      The European Physics Journal A 29

      ページ: 281-287

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi