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本年度は主として本研究の目的を実現させるために必要なデータ収集を行い検出器および測定方法についての検討を進めた。
1.放射光による予備実験
高エネルギー加速器研究機構の放射光施設において鉄57で濃縮したホウ酸鉄化合物の単結晶を用いて、試料を回転させるごとの各点においてアバランシュフォトダイオード検出器で検出された核共鳴シグナルの測定を行った結果、本研究の目的であるホログラフィーの測定の可能性を示唆することができた。しかし現状の検出器では立体角が限られており、各点での時間スペクトルを測定することが困難であることが予測された。時間スペクトルには本研究の目的のひとつである電子状態によってサイトを区別するために必要不可欠な超微細相互作用の情報が含まれるため、より効率的にシグナルを検出するための検出器の改良や測定方法の工夫が必要であること、またその問題点等についても明確化することができた。
2.検出器および測定方法、解析方法の改良点の検討
予備実験の結果をもとに本研究に必要な検出器として、検出素子の多素子化や試料内包型検出器等について改良点の検討を行った。また、データ収集に必要な角度ステップや角度範囲の検討、時間スペクトルの測定範囲の区分法、また対称性を利用した折り返し測定やビーム強度変動の規格化の問題などの克服すべき測定上の問題点や測定方法の工夫についての検討を行った。さらに、実験データを効率的に原子配置に変換するための解析ソフトウェアについての開発を行った。
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