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2006 年度 実績報告書

PEEMによる鉄隕石の金属組織と磁区構造の観察

研究課題

研究課題/領域番号 17740198
研究機関広島大学

研究代表者

小嗣 真人  広島大学, 放射光科学研究センター, 研究員 (60397990)

キーワード光電子顕微鏡 / 鉄隕石 / Tetrataenite / 放射光
研究概要

鉄隕石はウィドマンステッテン構造と呼ばれる特徴的な金属組織を持ち、またその磁気特性も人工のFeNiとは大きく異なる。我々は放射光と光電子顕微鏡(PEEM)を用いて、鉄隕石の微細組織と磁気特性の相関をナノスケールの分解能で直接解析を行った。
1)硬X線とPEEMを用いて、ピクセル単位のXAFS測定を行ったところ、α-γ界面において、Niの濃度が急激に上昇することが観測された。また濃度の上昇に伴い、結晶構造が体心立方(bcc)から面心立方(fcc)構造へと層転移することが観測された。そして、界面近傍にはTetrataeniteと呼ばれるL10型FeNiが薄膜状に偏析していることが観測された。
2)円偏光軟X線とPEEMを用いて、界面近傍の磁区構造測定を行ったところ、容易磁化磁区の回転と、界面で正対する特徴的な磁区構造が観測された。これは人工のFeNiから大きくかけ離れた磁区構造であった。考察の結果、鉄隕石の形成過程とTetrataenite相の磁気特性に強く関連していることが示唆された。
3)Tetrataeniteの磁気特性をSQUIDで解析したところ、2.5kOeもの高い保持力が観測された。これは人工のFeNiと比べて10000倍以上の非常に高い値であった。その起源は未だ明らかになっていないが、Tetrataeniteの超構造に起因しているものと予測される。今後、光電子分光法や磁気円二色性実験を通じて、この新奇な磁性の解明が待たれる。
本課題の成果の一部はフランスで開催された「European Conference of Surface Science 24(ECOSS24)」にて発表され、欧州の専門家と有意義な議論を交わす事ができた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Easy-axis rotation in meteoritic iron probed by photoelectron emission microscope (PEEM)

    • 著者名/発表者名
      小嗣 真人
    • 雑誌名

      Surface science (印刷中)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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