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2005 年度 実績報告書

粘着運動の物理

研究課題

研究課題/領域番号 17740257
研究機関早稲田大学

研究代表者

山崎 義弘  早稲田大学, 理工学術院, 助教授 (10349227)

キーワード非平衡・非線形物理学 / 統計物理学 / ソフトマターの物理
研究概要

[研究実績内容]粘着運動のダイナミクスを理解するには、粘着運動の基本的な特徴である粘着物質の基板への接着および剥離を理解することが重要である。我々は、基本的な特徴のひとつである剥離過程に着目し、剥離のメカニズムを理解するため、粘着テープの剥離を一例に挙げ、一定の速度に保ったまま剥離する実験を行い、剥離を行っているシステム全体の剛性と剥離速度が剥離挙動に及ぼす影響を調べてきた。その結果、剥離によって変形した粘着物質の時空間パターン形成が剥離の動力学特性に本質的な影響を与えていることが明らかになった。さらに、我々がこれまで行ってきた実験結果を説明するため、粘着物質の変形状態を表す変数(状態変数)を導入し、状態変数の時間発展式および粘着テープの剥離先端に関する運動方程式を現象論的に記述するモデルを構築した。そして、我々が実験で明らかにしてきた一連の結果が、状態変数の双安定性・状態変数どうしの局所的および大域的相互作用の競合というメカニズムによって引き起こされていたことを非線形動力学の立場から説明することに成功した。今回の研究成果については、1編の査読付原著論文と1編の研究会紀要に報告する予定である。来年度以降の研究については、以上の研究成果を踏まえて、今年度導入した引っ張り試験機を利用して粘着テープ以外の粘着運動を示す実験系への応用を考えている。
[学会発表]<1>第54回高分子討論会(2005年9月、依頼発表)
<2>第61回日本物理学会(2006年3月)
[研究会発表]<1>複雑流体の数理とその応用(京大数理研、2005年11月)
<2>非線形現象のモデル化とその数理解析(京大数理研、2006年2月、依頼発表)
[研究打ち合わせ]<1>戸田昭彦助教授(広島大学)と実験に関する議論
<2>中西秀教授(九州大学)と理論解析およびモデル化に関する議論

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Pattern Formation and Dynamics of Deformed Adhesive in Peeling2006

    • 著者名/発表者名
      Yoshihiro Yamazaki, Akihiko Toda
    • 雑誌名

      Physica D 214(2)

      ページ: 120-131

  • [雑誌論文] 粘着テープの剥離過程で観られる時空パターン形成2006

    • 著者名/発表者名
      山崎義弘, 戸田昭彦
    • 雑誌名

      数理解析研究所講究録「複雑流体の数理とその応用」 1472

      ページ: 46-55

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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