研究課題
テラワット(ITW=10^<12>W)からペタワット(IPW=10^<15>W)級のピーク出力を有する超高強度レーザーと物質との相互作用における極限的な物理状態の実現とその生成過程の解明に寄与するために、今まで実現されていなかった高いコントラストで且つ広いスペクトル帯域の増幅が可能なOPCPA(Optical Parametric Chirped Pulse Amplification)非線形増幅法を確立することを目的として研究を行った。超高強度レーザーにおいて、コントラストを低下させる原因である再生増幅器をOPCPAに置き換えるとともに、更にOPCPAに用いる非線形光学結晶のカッティング、位相整合角、無反射コーティングや励起強度などを工夫することにより、プリパルス(背景光)を低減させることでコントラストを向上できることを発見した。また、多段のOPCPAを用いて各OPCPA段において位相整合角をわずかに変えることで増幅帯域をシフトさせることにより、広いスペクトル帯域の増幅及び任意のスペクトル整形が可能であることを見出した。上記のアイデアを基に、3段のOPCPAステージを構築した。チタンサファイアレーザー発振器からのシード光を本OPCPAで10^7倍以上の高い増幅利得で〜10mJまで増幅し、後段の2段のチタンサファイアレーザー増幅器で〜3Jまで増幅した。OPCPAステージにおいてスペクトル整形することにより、〜100nmと広い増幅帯域を実現した。この増幅光をパルス圧縮器でパルス圧縮し、〜80TW(1.5J,19fs)のピーク出力を得た。また、ピコ秒領域のコントラストを測定し、10^8以上の高いコントラストが得られた。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (1件)
Laser Physics 17
ページ: 472-477
Optics Express 14
ページ: 438-445
Laser Physics 16
ページ: 666-672
International conference on ultranigh intensity lasers development, science and emerging applications 2006 (ICUIL 2006) (Technical Digest)
ページ: ICUIL 064