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2005 年度 実績報告書

ミクロ熱励起・ミクロ温度計測による新しい細胞機能解析法の開発と応用

研究課題

研究課題/領域番号 17740281
研究機関早稲田大学

研究代表者

鈴木 団  早稲田大学, 生命医療工学研究所, 助手 (40350475)

キーワード単一細胞 / 蛍光イメージング / HeLa細胞 / 温度 / 細胞内カルシウム / Ca-ATPase
研究概要

本年度は、新規に開発してきたミクロ温度計を利用し、単一HeLa細胞内Ca^<2+>濃度の変動に伴う温度変化を捉え、細胞活動に伴った細胞からの熱発生を単一細胞レベルで検出することを目指した。以下その結果を箇条書にする。
1.ミクロ温度計は、マイクロピペットに閉じ込めた蛍光色素Europium-TTA(Eu-TTA)の蛍光強度変化を利用して温度を計測する方法である。したがって温度とCa^<2+>濃度との時間的関係を調べるには、蛍光色素Eu-TTAとカルシウム指示薬fluo-4を同時に観察する必要がある。そこで水銀ランプからの励起光をパソコンで制御されるフィルターホイールにより交互に入れ替え二つの色素を順番に励起し、像を1つのCCDカメラでとらえた。これにより、温度と細胞内Ca^<2+>濃度とをほぼ同時にビデオレートで観察することができた。
2.強力なイオン透過担体であるイオノマイシンにより、細胞内Ca^<2+>濃度を任意のタイミングで上昇させることができた。まず細胞外にCa^<2+>が存在するときにイオノマイシンを作用させると、細胞内Ca^<2+>濃度が上昇し、それに伴いEu-TTA蛍光強度の減少、すなわち温度の上昇が観察された。
3.細胞を予めタプシガルギンで処理すると、細胞内小胞からCa^<2+>が漏れ出す。その後にEGTAを加えた細胞外液中でイオノマイシンを作用させると、細胞内Ca^<2+>濃度に変化は見られず、またEu-TTAの蛍光強度にも変化は無かった。
4.以上2及び3の結果は、Ca-ATPaseの作用として説明できる。イオノマイシンにより上昇した細胞内Ca^<2+>濃度を正常値まで下げるために、Ca-ATPaseはATPのエネルギーの一部を利用してCa^<2+>を細胞質中から細胞内小胞へ汲み上げる。その過程における余剰エネルギーが熱として発散したと考えられる。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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