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2006 年度 実績報告書

表面波の有限波長トモグラフィー法を用いた3次元上部マントル異方性構造の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17740283
研究機関北海道大学

研究代表者

吉澤 和範  北海道大学, 大学院理学研究院, 助手 (70344463)

キーワード表面波 / トモグラフィー / 異方性 / S波速度 / 上部マントル / 有限波長 / 位相速度 / インバージョン
研究概要

本研究では,研究代表者がこれまで開発を進めてきた表面波の有限波長トモグラフィー法を,異方性媒体の場合にまで拡張し,高分解能な上部マントル内部の3次元異方的不均質構造を復元することを目的としている.今年度は,高密度な広帯域地震観測網が展開されている北西太平洋地域の地震波形データに対して独自のトモグラフィー手法を適用し,この地域直下の上部マントルの方位異方性分布の復元を行った.同時に,比較的観測点密度が低く,これまでトモグラフィーモデルの分解能に限界のあった北海道北部(苫前町)に,新たな広帯域地震観測点を設置し連続観測も行った.
これまで進めてきた地震波解析により,北西太平洋地域を通過するレイリー波の位相速度データを十分収集することができたので,これらを用いて,日本列島及びその周辺域を含む北西太平洋の位相速度分布及び方位異方性分布の復元を行った.この結果,周期約100秒以下の基本モードレイリー波位相速度(深さ約150km以浅のS波速度構造に相当)の方位異方性分布が,GPS観測から判明しているユーラシアプレート東縁部の運動方向と整合的であることや,北海道北西部のユーラシアプレート及び北米プレートの境界を境にして方位異方性の方向が急激に変化すること等が分かった.これらの観測事実は,ユーラシアプレート東縁部の移動方向に沿った流れ場がその直下の上部マントル内部に存在することや,二つのプレートの境界直下において水平流の向きが大きく変化していること等を示唆しており,本地域のプレート運動史を探る上で重要な結果を示すものといえる.この成果は,日本地震学会秋季大会(名古屋)において発表を行い,現在,国際学術誌に投稿すべく準備中である.さらに,本研究とも密接に関連する,表面波による海洋域(フィリピン海,南太平洋)の上部マントルの3次元S波速度構造に関する共同研究の成果を国際誌に2編発表した.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 3-D shear wave structure beneath the Philippine Sea from land and ocean bottom broadband seismograms2006

    • 著者名/発表者名
      Isse, T.
    • 雑誌名

      J. Geophys. Res. 111, B06310

      ページ: doi:10. 1029/2005JB003750

  • [雑誌論文] Shear wave speed structure beneath the South Pacific superswell using broadband data from ocean floor and islands2006

    • 著者名/発表者名
      Isse, T.
    • 雑誌名

      Geophys. Res. Lett. 33, L16303

      ページ: doi:10. 1029/2006GL026872

  • [雑誌論文] S-wave velocity structure beneath he north-western Pacific from surface wave tomography2006

    • 著者名/発表者名
      Litvina, E.
    • 雑誌名

      Abstracts for 5-th Biennial Workshop on Subduction Processes emphasizing the Japan-Kuril-Aleutian Arcs

      ページ: 101-104

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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