研究課題
地震は大きくスケールを変えて成長する破壊過程である。その成長過程の詳細と支配法則・条件を数値シミュレーションによる破壊過程の複雑性の研究と実際のデータを用いた震源過程の解析を用いて解明するのが本研究の目的である。本年度はまず2004年新潟県中越地震のマルチスケールインバージョンのまとめを行った。J.Geophysical Research誌に投稿し現在印刷中である。さらに2005年福岡県西方沖の地震と2004年パークフィールド地震についてマルチスケールインバージョンのための予備解析を行った。一方数値シミュレーションは2次元の複雑な断層面上の破壊シミュレーションについての研究をまとめてEarth Planet and Space誌に投稿した。さらに小さなスケールでの波形解析の例として南アフリカ金鉱山の地震のエネルギー推定研究をまとめてJ.Geophysical Research誌に発表した。地震の不均質階層構造を研究する過程で南海トラフの沈みこみ帯の地震の階層構造についていろいろなことがわかってきた。低周波地震とスロー地震の間には階層構造が成り立っており、すべての現象が一つの単純なスケール則であらわされることが明らかになった。これは低周波地震やスロー地震という現象についても普通の地震と同じようにスケーリングや不均質構造を推定することができるという重要な発見である。低周波地震の震源精密決定、低周波地震のメカニズム推定、低周波地震と低周波微動の同一性、さらにスケーリング則という4つの段階でそれぞれまとめた論文は3編がNature誌(1編印刷中)、1編がGeophysical Research Letters誌でハイライト論文として取り上げられた。上記研究は地球惑星科学連合大会、日本地震学会、米国地球物理学会などで発表されている。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (6件)
Geophysical Research Letters 34
ページ: Doi :10. 1029/2006GLO28890
Journal of Geophysical Research 112
ページ: Doi :10. 1029/2006JB004553
Nature 446
ページ: 305-307
Journal of Geophysical Research (印刷中)
Nature (印刷中)
Nature 442
ページ: 188-191