研究課題
平成15-16年度にわたり独自に開発した差圧式水圧計(科研費若手(B)課題番号15740281)と世界的に実績のある広帯域海底地震計とを1つにまとめ、海底での地動と水圧を同時に測定する新しいシステムを設計し、実際に4機ほど作成した。試験的な要素もあるため、時定数の異なる2種類のものとした。それらを平成17年10月に伊豆〜小笠原〜マリアナ海域に設置し、1年後の回収まで観測を継続する。比較観測のため、時定数の異なるものを2機、同深度に設置した。4機の内、ひとつは、鳥島近傍に設置しており、今年1月1日の火山性であると推測されるメカニズムをもつ地震(マグニチュード6.0)および3月28日に起きた深発地震(震源413km)を捉えているものと期待される。また、観測開始直後に、ロタ島(グアム島北方の火山島)海底下で火山活動の様子をROVに設置されたビデオで捉えた映像を既に入手しており、これとの比較を行う予定である。また、観測開始後には大型の台風発生、長期停滞もあり、それによる気圧変動と観測されたであろう水圧変動を比較することで、水圧計そのものの感度を測定できるはずである。このように、固体地球物理的にも海洋物理的にみてもアクティブな場所による観測により、自然界の様々なインプット-アウトプットを記録していることが期待される。また、この機器開発のきっかけともなった、内部潮汐波の励起に伴う海中音波速度の半日周期変動について論文をまとめ、Geophysical Research Lettersに掲載された。エディターに評価されハイライト論文と位置づけらた。
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Geophysical Research Letters Vol32, L24616
ページ: Doi:10.1029/2005GL24001