研究課題
当初は破壊進展問題を単純なモデルで扱う予定であったが、破壊進展には境界条件や初期応力場が大きく効いてくることが明らかになり、沈み込み帯を切り離した条件で破壊面形状だけを扱うのでは目的達成に結びつかないと結論し、長期間の沈み込みをどのようにモデル化するか、つまり、巨大地震の発生する付加体がどのように形成するかを検討することとした。付加体形成の研究には、本研究と同様に離散要素法(DEM)が用いられてきたが、地震発生帯よりも浅い流動的な部分が対象とされてきた。そこに堆積物が岩石化していくプロセスを加えることで、付加体の形成とともに、そこでの破壊を扱えるDEMモデルを構築した。岩石化モデルは暫定的なものであるが、付加体形成のシミュレーションの結果として、堆積層の厚さが付加体の発達度合いに大きく影響するというグローバルに見られる傾向を再現することができた。この成果について、アメリカ地球物理学会等で研究発表を行った。今後は、岩石化モデルをより現実的なものにすることで、付加体の剛性や強度が付加の過程でどのように変化するかを検討し、それを踏まえて海山や海嶺の沈み込みの影響について議論する。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (3件)
Radiated Energy and the Physics of Earthquake Faulting(ed.by R.E.Abercrombie, A.McGarr, G.Di Toro, H.Kanamori, Geophyscal Monograph Ser.) 170
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J.Earth Simulator 5
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月刊地球 28・7
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