研究概要 |
2005年7月から9月にかけて、イギリス(ランカスター大学)、ドイツ(フルステンフェルドブルク観測所)・アメリカ(ジョンズホプキンス大学応用物理研究所)・メキシコ(テオロユーカン観測所)、日本(柿岡地磁気観測所、峰山観測所)の合計6観測所を順次訪問し、ウェーブレット解析を使ってPi2地磁気脈動を自動検出するソフトウェアをインストールした。Pi2地磁気脈動が検出されると、その波形や検出時刻などの結果は、電子メールで申請者の所属する京都大学へ送られ、WWWで公開されるようになっている。各観測所では、地磁気データをリアルタイムで収集しているので、検出結果もほぼリアルタイムでWWWから見られるようになっている。WWWアドレスは、http://swdcli40.kugi.kyoto-u.ac.jpである。また、このようなデータ収集で得られた経験を基にして、サブストームの発生を中低緯度の地磁気観測から推定するための新しい地磁気指数を考案し、その算出を行い始めた。この新しい指数をAE指数や静止軌道衛星の粒子フラックスと比較し、それぞれの間に比較的よい相関があることが分かった。その他に、柿岡地磁気観測所とHermanus地磁気観測所のデータを用いて、Pi2地磁気脈動の経度方向の構造を統計的に調べた結果、その経度方向の波数はほぼ0に近い値となり、全球的に同位相で振動が起こっていることが明らかになった。 以上の研究内容・活動を国内外の学会で5回(国内3回・国外2回)にわたって報告を行った。研究成果は、Nose et al.,Earth Planet.Space,58,775-783,2006とNose et al.,Proceedings of the Eighth International Conference on Substorms(ICS-8),209-214,2006の2つの学術論文として発表した。加えて、関連した研究として主著論文1編、共著論文2編を発表した。
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