研究課題
昨年度と同様、福島県只見川、新潟県阿賀野川(阿賀川)流域において、ラハール堆積物(二次堆積物)の地質・地形調査を行った。今年度は、火砕流の直接的流入が及んでいないが二次堆積が発生した地域の運搬・堆積過程を明らかにするため、会津盆地側での調査を中心的に行った。さらに、露出が悪い地域でボーリング掘削を行った。また、ラハール堆積物の比較のため、阿蘇カルデラ周辺および流出河川である白川沿いの地形と地質の調査を実施した。詳細な地質柱状図・地質および地形断面図を作成し、ラハール堆積物の空間的分布がより広範囲で明らかとなった。会津盆地では火砕流が直接流入した痕跡があり、噴出源からの直接距離は近いものの、ラハール堆積物は只見川流域のそれに比べて、層厚が薄いことが明らかとなった。また、ラハール堆積物の堆積相解析と地形解析、流量解析モデルからは、噴火後に発生した破局的洪水流における流れの特性が考察できた。その結果、沼沢湖噴火にともなう火砕流堆積物によるせき止め湖の形成と、そこから発生した大規模な決壊洪水について、1)ダム湖貯水量は現在の只見川の地形に基づくと約1.6立方キロメートルにも及ぶこと、2)流れはハイパーコンセントレイティッド流の状態であったこと、3)洪水流のピーク流量は20000から30000立方メートル毎秒と見積もられること、4)決壊洪水に至るまで噴火後数ヶ月間の時間があったこと、を明らかにした。これらの成果の一部を国内外の雑誌や学会で報告した。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (6件)
月刊地球 第28巻第8号
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石油技術協会誌 第71巻第4号
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日本地球惑星科学連合大会予稿集 (CD-ROM)
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The 17th International Sedimentological Congress, Abstracts Volume A
ページ: 40-40
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