• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

深部マントルのダイナミクスへの揮発性物質の影響

研究課題

研究課題/領域番号 17740344
研究機関東北大学

研究代表者

LITASOV Konstant  東北大学, 大学院・理学研究科, COEフェロー (80374916)

キーワード岩鉱・鉱物・鉱床 / 固体地球物理学 / 地殻・マントル物質 / 地球・惑星内部構造 / 水循環
研究概要

本研究では,含水および無水のパイロライトのポストスピネル境界をX線その場観察にもとづいて決定した.この相境界のプラペイロン勾配は,非常に緩やかであり,この結果は660kmの地震波不連続面の凹凸を説明することを困難にしている.しかしながら,含水パイロライトにおいては,この相転移が1473Kでは0.6GPa高圧に移動することが明らかになった.この相境界の移動によって,含水の沈み込み帯における660km不連続面が30-40kmの窪みを説明することができる.同様に,含水系では410kmの地震波不連続面に対応するカンラン石からワズレアイトへの相転移が1GPa程度低圧側に移動する.
この研究では,カンラン石とワズレアイト間のH2Oの分配関係を明らかにした.それによると,ワズレアイトとカンラン石の分配係数は1473Kで4.0,1673Kでは2.1,そして1773Kでは1.3である.これらの値は,これまで報告されていた値(5-40)に比べて小さい.この結果によると0.21wt.%の水を含むカンラン石と0.84wt.%の水を含むワズレアイトが共存すると,410km不連続面の幅は35kmに広がる.
この結果は,マントル遷移層にはかなりの水が存在することを示唆しており,最近の電気伝導度の測定結果と調和的である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Phase relation in hydrous MORB at 18-28 GPa : Implications for heterogeneity of the lower mantle2005

    • 著者名/発表者名
      Litasov, K.D., Ohtani, E.
    • 雑誌名

      Phys.Earth Planet.Inter. 150・4

      ページ: 239-263

  • [雑誌論文] In situ X-ray diffraction study of post-spinel transformation in a peridotite mantle : Implication for the 660-km discontinuity2005

    • 著者名/発表者名
      Litasov, K.D., Ohtani, E., Sano, A., et al.
    • 雑誌名

      Earth Planet.Sci.Lett. 238・3-4

      ページ: 311-328

  • [雑誌論文] Wet subduction versus cold subduction2005

    • 著者名/発表者名
      Litasov, K.D., Ohtani, E., Sano, A., et al.
    • 雑誌名

      Geophys.Res.Lett. 32

      ページ: doi:10.1029/2005GL022921

  • [雑誌論文] Influence of water on major phase transitions in the Earth's mantle2005

    • 著者名/発表者名
      Litasov, K.D., Ohtani, E., Sano, A.
    • 雑誌名

      American Geophysical Union Monograph, Earth's Deep Water Cycle (in press)

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi