研究課題
下部マントルでの物質の挙動を正しく理解するため、放射光施設SPing-8に設置されている高圧発生装置SPEED-1500を用いた高温高圧変形実験を試みた。このために新しく開発した変形用セルアッセンブリーを用いた。その結果、これまで困難であった下部マントルに相当する温度圧力条件での試料の歪をその場観察できるようになった。これにより、約23GPa,1400℃で下部マントルの主要鉱物MgペロフスカイトがAl_2O_3よりも塑性的に硬いことを示す予察的な結果を得ることに成功した。マントル遷移層と上部マントルの主要構成鉱物ウォズリアイトとカンラン石の高温高圧変形実験を行った。Yale大学で開発された回転ドリッカマー装置を用い、Brookhaven国立研究所のNSLSで応力、歪のその場観察を行なった。その結果、地球の深さ約410kmでの粘性不連続の存在を示唆する結果を得た。この成果を、2005年10月に室蘭で行われた第46回高圧討論会にて口頭発表した。また、同時にこの成果はJournal of Geophysical Research誌にも投稿中である。以前より進めていた、ウォズリアイトの粒成長についての研究成果をPhysics of the Earth and Planetary Interiors誌に、高圧実験における熱電対の銅製保護コイルの与える測温への影響についての研究成果をAmerican Mineralogist誌に、発表した。
すべて 2006 2005
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American Mineralogist 91
ページ: 111-114
Physics of the Earth and Planetary Interiors 154
ページ: 30-43
Journal of Geophysical Research 110
ページ: 10.1029/2004JB003504