| 研究概要 |
「3軸変形川井型装置」による高温高圧変形実験の技術開発を進めた。試料構成・加圧・変形方法を変えたテスト実験を繰り返すことで実験方法の最適化を行なった。ディスク上に成型した焼結体試料を、軸に対して45度の角度で切断した硬いA1_20_3円柱ではさみこれらを高圧下で軸方向に圧縮することで、試料にせん断変形を与えることを試みた。試料の周囲はやわらかいNaC1で取り囲み、高温の発生にはチューブ型TiB_2を用いた。その結果、マントル遷移層に相当する15 GPa, 1200℃の高温高圧下でマグネシオウスタイトの変形実験に成功した。このとき試料の最終的な歪はγ〜1.1であった。この成功により、マントル遷移層の流動様式、上-下部マントル境界での物質の流動について議論するための基礎的な実験データを得ることが可能となった。
また「3軸変形川井型装置」による差応力・歪その場観察を行なうための準備として、放射光施設SPing-8に設置されている高圧発生装置SPEED-1500を用いた応力測定実験を行うための準備をすすめた。この装置に2次元X線回折測定のための光学系をセットアップし、マントル遷移層条件下での鉱物の変形強度その場観察を試みつつある。
さらにこれらの成果を、2007年11月に倉吉市で開催された第48回高圧討論会、2007年12月にアメリカ、サンフランシスコで開催された、アメリカ地球物理学会(AGU)、で発表した。
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