本研究は、有機/金属界面の構造に関して、界面敏感な非線形分光法を用いて測定を行うと同時に、電場変調(シュタルク)分光法を用いて電場効果を検出する手法を開発することが目的である。本年度の成果として、電場を印加するためのユニットを昨年度作成した表面第2高調波発生計測装置に組みこむことで、第2高調波光強度に対する電場効果を測定するためのシステムの開発を行った。10ナノ秒のパルス幅を持つパルスNd:YAGレーザーの基本光もしくは第2高調波を光源として使用し、各波長に応じた波長板と偏光子を用いて入射光の偏光面を規定した。レンズを用いて試料基板表面にレーザー光を集光し、試料基板表面からの反射光に含まれる第2高調波光成分のみを光電子増倍管で検出した。信号光の偏光面は、アナライザーを用いて選択した。試料以外の光学素子などから生じる第2高調波光成分は、適切な光学フィルターを用いて取り除いた。さらに、XYZおよびθを任意に調節することが可能なステージを作成し、試料固定台として使用した。試料としては、電極基板上に高分子薄膜をスピンキャスト法により作成し、さらにアルミを真空蒸着したものを使用した。レーザーパルスと同期した電圧パルスを、アンプを用いて増幅したのち、電極間に加えた。電場効果の測定には、電場が印加されているときと電場がかかっていないときの信号強度の差を検出する方法を用いた。電場強度の上限値として、約1MV/cm程度まで用いることが可能であった。
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