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2005 年度 実績報告書

典型元素分子性クラスターの合成と電子構造の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17750031
研究機関筑波大学

研究代表者

中本 真晃  筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助手 (90334044)

キーワードアルミニウム / ガリウム / リン / ゲルマニウム / キュバン構造
研究概要

現在までに合成してきた高周期典型元素の低配位/低原子価化合物の知見を元に、本年度は新たに次の2点について重点的に検討を行った。(1)2配位型13族元素(アルミニウム、ガリウム)カチオン性錯体の合成と構造の解明。(2)リン/ゲルマニウム混合キュバン型クラスター分子の合成。
1.アルミニウムやガリウムといった13族典型金属元素を中心金属とする化合物は、通常三配位のルイス酸として知られており、これらが低配位数になるとクラスター化することも良く知られている。また、一方で低配位カチオン性錯体は極めて強いルイス酸性が期待されるため、近年その構造や反応性に興味がもたれてきた。今回、嵩高いケイ素置換基をもつ有機アルミニウム化合物およびガリウム化合物から、アルキル基を引き抜き、続くシリル基の転位反応を経て、2配位型カチオン性錯体の合成に成功した。これらは中心金属周りの価電子数が4であり、sp混成軌道を形成した希な構造の化合物である。容易に予想できるように、極めて強いルイス酸性を示した。
2.続いて、4個のリン(P)原子と4個のゲルマニウム(Ge)原子からなるキュバン型分子の合成を行った。今回見い出した合成法はシンプルで、かつ高収率で混合原子キュバン型クラスター分子を得ることができる。具体的には、嵩高いケイ素置換基を有するリンジアニオンを調製しておき、これとジクロロゲルミレンを1対1のモル比で反応させた。目的のキュバン分子は熱的には安定な赤色結晶として単離可能である。この化合物は擬似的なTd対称性を有するやや歪んだサイコロ構造をしている。14族元素/15族元素の組み合わせからなるクラスター分子であり、電子豊富な骨格形成をしていると思われるが、実際には比較的良い電子受容体であり、二電子還元体を安定に取り出すこともできる。現在、この分子の酸化還元挙動について詳細な検討を行っている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Stable Mononuclear Radical Anions of Heavier Group 13 Elements : [(^tBu_2MeSi)_3E^<-AE>[K^+(2.2.2-cryptand)] (E=Al, Ga)2005

    • 著者名/発表者名
      Masaaki Nakamoto
    • 雑誌名

      Journal of American Chemical Society 127

      ページ: 6954-6955

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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