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2005 年度 実績報告書

含スズ芳香族系の創製とその機能化

研究課題

研究課題/領域番号 17750032
研究機関埼玉大学

研究代表者

斎藤 雅一  埼玉大学, 理学部, 助教授 (80291293)

キーワードスタンノールアニオン / スタンノールジアニオン / ベンゾスタンノールジアニオン / 芳香族性
研究概要

1.スタンノールアニオン1及びジアニオン2の芳香族性の解明
スタンノールアニオン1とジアニオン2のX線構造解析、各種NMR測定、及び理論計算を行い、その芳香族性を吟味した。X線構造解析により、2の五員環は平面で、炭素-炭素結合交替がないことがわかった。また、^7Li NMRでは反磁性環電流に由来する高磁場のシグナルを観測し、理論計算により算出されたNICS値は負の小さな値となることがわかった。これらの結果を総合的に判断し、ジアニオン2はスズを骨格に含む初めての芳香族化合物であると結論付けた。この結果は、第5周期のスズのアニオン種でさえも炭素π電子系と共役しうることを示すもので、芳香族性の概念が炭素から遠く離れたスズにおいても成り立つことを示したという点で、基礎化学的に意義深い。一方、スタンノールアニオン1は、そのNMRの考察により、非芳香族化合物であると結論した。
2.ベンゾ縮環スタンノールアニオン及びジアニオンの合成と構造の解明
ベンゾ縮環の芳香族性に対する影響を調べるために、ベンゾスタンノールジアニオン3とジベンゾスタンノールジアニオン4を合成し、各種NMR測定、及び理論計算によりその芳香族性を調べた。ベンゾスタンノールジアニオン3の^7Li NMRでは反磁性環電流に由来する高磁場のシグナルを観測し、理論計算により算出されたNICS値は負の小さな値となったことから、ベンゾ縮環してもそれほど大きな芳香族性の変化がなく、3はジアニオン2と同じく芳香族化合物であることがわかった。現在、ジベンゾスタンノールジアニオン4の合成を検討中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Synthesis and Photochemical Reactions of 1,2,7-Chalcogenadistannacycloheptanes2005

    • 著者名/発表者名
      M.Saito
    • 雑誌名

      Appl.Organomet.Chem. 19

      ページ: 551-554

  • [雑誌論文] Reduction of Dichlorodiphenylstannane2005

    • 著者名/発表者名
      M.Saito
    • 雑誌名

      Appl.Organomet.Chem. 19

      ページ: 894-897

  • [雑誌論文] Formation of the Dianion and the Dimer of 9,10-Distannaanthracene2005

    • 著者名/発表者名
      M.Saito
    • 雑誌名

      Chem.Lett. 34

      ページ: 1018-1019

  • [雑誌論文] Synthesis and Structures of Bi(1,1-stannole)s2005

    • 著者名/発表者名
      M.Saito
    • 雑誌名

      Eur.J.Inorg.Chem.

      ページ: 3750-3755

  • [雑誌論文] Silyl Migration in the Photochemical Reaction of 2-Trimethylsilylmethylphenylketones2005

    • 著者名/発表者名
      M.Saito
    • 雑誌名

      Org.Lett. 7

      ページ: 3139-3141

  • [雑誌論文] The Aromaticity of the Stannole Dianion2005

    • 著者名/発表者名
      M.Saito
    • 雑誌名

      Angew.Chem.,Int.Ed. 44

      ページ: 6553-6556

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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