研究概要 |
近年、イミダゾリウム塩類はイオン性溶媒、有機触媒、また飴ヘテロカルベン配位子として利用される多機能な化合物として注目を集められている有機化合物の一種である。特に光学活性なイミダゾリウム塩類のいくつかは不斉合成において有用な不斉素子と近年、イミダゾリウム塩類はイオン性溶媒、有機触媒、また飴ヘテロカルベン配位子として利用される多機能な化合物として注目を集められている有機化合物の一種である。特に光学活性なイミダゾリウム塩類のいくつかは不斉合成において有用な不斉素子となることが明らかとなっている。しかし、その一方で光学活性なイミダゾリウム塩類の合成は多段階を要しており改善の予知が残されている。 今回、新たに三段階で光学活性なN-Aryl-N'(2-hydroxybenzyl)-4,5-diphenyl-4,5-dihydro-imidazolium塩をキラルなジフェニルエチレンジアミンから合成する手法を確立した。さらに同イミダゾリウム塩類を塩基処理し、N-ヘテロカルベン配位子として利用を行いCu(II)-NHC錯体を調製し、α,β-不飽和カルボニル化合物へのジエチル亜鉛を用いた触媒的不斉共役付加反応を行った。開発を行った塩を用いた反応はフェニルアルケニルケトンを基質として、-10℃、ジメチルフォルムアミド中で最高98%eeと非常に高いエナンチオ選択性で進行することが明らかになった。また、β-置換(R')ビニルフェニルケトン類の反応ではビニル基の置換基R'、求核試薬であるジアルキル亜鉛(R"_2Zn)のR"によらず一般的に94%ee以上の選択性で反応生成物が得られた。 また、メチルフェニルビニルケトンの反応において69%eeの選択性で反応が進行することが明らかとなった。
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