研究課題
三官能ジチオカーボナートと種々のアミン類との反応により、多様な三官能チオールを合成し、これらとベンジルハライド類、および二硫化炭素との反応により対応する三官能性トリチオカーボナートを合成した。このトリチオカーボナート類は、可逆的不可解裂型連鎖移動(RAFT : reversible addition-fragmentation chain transfer)剤として作用し、この存在下でのスチレンのラジカル重合は制御されて進行した。結果として、アミン由来の構造とポリスチレン鎖をそれぞれ3本ずつ交互に有するポリマーが得られ、適切な処理を施すことによって、それぞれのポリスチレン鎖を切り出すことも可能であった。また、類似の反応として二官能性ジチオカーボナートとジアミンの反応を行ったところ、チオール基を1ユニットあたり2つもつポリマーが得られた。このポリマーはラジカル重合の高分子連鎖移動剤として作用すると期待されることから、一部のチオール基を酸化カップリングさせて架橋させ、架橋型高分子連鎖移動剤としての利用を検討した。この架橋剤存在下でスチレンやメタクリル酸メチルのラジカル重合を行うと、コアのみが架橋したグラフト共重合体が得られ、そのグラフト鎖の重量分率は95%程度と非常に高かった。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)
J.Polym.Sci., Part A : Polym.Chem. 43
ページ: 5097-5102
ページ: 5498-5505
ページ: 5899-5905