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2005 年度 実績報告書

光学活性体を触媒的に用いた完全一方向巻きらせん高分子の創製

研究課題

研究課題/領域番号 17750107
研究機関名古屋大学

研究代表者

森野 一英  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00362286)

キーワードらせん / ポリフェニルアセチレン / 光学活性 / 不斉増幅 / 記憶 / 誘起円二色性 / 高分子
研究概要

少量の光学活性アミンによって側鎖にカルボキシル基を有するポリフェニルアセチレン誘導体(PCPA)に誘起されたわずかな片寄りのらせん構造は、かさ高いアキラルアミンの添加によりほぼ一方向巻きのらせん構造へと不斉増幅された後、アキラルアミンにより記憶可能であることを既に見い出している。本研究では、側鎖にホスホン酸残基を有するポリフェニルアセチレン誘導体(poly-1)に誘起されたらせんキラリティーの不斉増幅とその記憶について検討を行なった。Poly-1は、過剰の光学活性アミン存在下、ほぼ完全に一方向巻きに片寄ったらせん構造を形成し、主鎖の共役二重結合領域に強い誘起円二色性(ICD)を示す。しかし、少量の光学活性アミン存在下では、わずかな片寄りを持ったらせん構造しか誘起されないため、そのICD強度は極めて弱い。しかし、アキラルアミンの添加によりCD強度は著しく増加し、飽和値とほぼ同程度の値を示した。以上の結果は、少量の光学活性アミンによりpoly-1に誘起されたわずかな片寄りのらせん構造が、アキラルアミンの添加によりほぼ完全な一方向巻きのらせん構造へと不斉増幅されたことを示している。また、PCPAに誘起されたらせん構造の不斉増幅では、用いるアキラルアミンのかさ高さの減少に伴い不斉増幅率が減少する傾向が見られたが、poly-1に誘起されたらせん構造は、かさ高さの小さなアキラルアミンを用いた場合でもほぼ完全に不斉増幅された。さらに、アキラルアミンにより不斉増幅されたらせん構造を有するpoly-1-光学活性アミン錯体のDMSO溶液からアキラルジアミンを含むDMSOを溶離液に用いたサイズ排除クロマトグラフィーによりポリマー部分のみを分取し、そのCDスペクトルを測定したところ、分取前とほぼ同程度のCD強度を示した。以上の結果は、光学活性アミンにより誘起された後アキラルアミンにより不斉増幅されたpoly-1のらせん構造もまたアキラルジアミンにより記憶可能であることを示している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Temperature-Driven Switching of Helical Chirality of Poly[(4-carboxyphenyl)acetylene] Induced by a Single Amidine Enantiomer and Memory of the Diastereomeric Macromoleular Helicity2006

    • 著者名/発表者名
      T.Hasegawa, K.Morino, Y, Tanaka, H, Katagiri, Y, Furusho, E.Yashima
    • 雑誌名

      Macromolecules 39

      ページ: 482-488

  • [雑誌論文] Helicity Induction in a Poly(phenylacetylene) Bearing Aza-18-crown-6 Ether Pendants with Optically Active Bis(amino acid)s and Its Chiral Stimuli-Responsive Gelation2005

    • 著者名/発表者名
      K.Morino, M.Oobo, E.Yashima
    • 雑誌名

      Macromolecules 38

      ページ: 3461-3468

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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